豊岡・但馬の民話昔ばなし

カッパの恩返し

この話は豊岡市赤石の玄武洞のそば辺りに伝わるお話です。昔々この辺りにはカッパが出て、子どもを引っ張って溺れさせるといった事がよくありました。

ある日おじいさんが玄武洞のそばで草取りをしていた所、子どもが近づいて来て「ねぇおじいさん、僕と水遊びをしよう」と誘ってきます。

おじいさんが不審に思いその子どもを良く見て見ると、頭に皿がありカッパが子どもに化けていることに気付きました。そこでおじいさんはカッパのスキを見て、そのカッパを捕えました。

「これまでたくさんの子どもを川へ引っ張り込んだな。もう許さん。」と言うとカッパは命乞いに必死になりました。川に入る時に「赤石の者だ」と言ったら足を引っ張らない、毎日魚を届ける、といった条件を申し出たので、可哀想になったおじいさんはその条件を受け入れ、カッパを逃がしてあげました。

それから毎日、家の木の鍵の所に魚が届けられた、と伝えられています。赤石地区ではそれ以降、川に飛び込む時に「赤石の者だぞ」と大声で言ってから飛び込む風習があったそうです。

今でも川沿いにカッパが子どもを引っ張る注意看板が多いのは、そうした言い伝えの影響かもしれません。

  • 玄武洞